考え方を認める「思考へのストローク」

あらゆる生物の中で、自分自身を騙(だま)せるのは、人間だけです。
自己欺瞞と言い換えれば悪意を含んでいるように聞こえますが、自分で自分を騙すのはプラス思考と紙一重

たとえば肥満型の人が、自分の太鼓腹を眺めすがめつ、
「なんと醜い体形なんだ。情けない」
と自分をいじめ苦しめるよりだったら、
「まるで、布袋様のように福々しい太鼓腹だ。布袋様ってことは、無病息災まちがいなし」
と愛でるほうが、精神衛生上よろしい。

精神衛生には宜しいでしょうけど、体にとっては甚(はなは)だ宜しくありません。無病息災どころか、すぐにダイエットを始めなければ、生活習慣病になってしまう。
その危険性を、プラス思考によって潜在意識下へ閉じ込め、自分の太鼓腹を「福々しい」と是認し、正当化してしまうわけです。

それほどまでに、人間は、ものごとを複雑に考えることが出来ます。海苔のように何も考えずに働いている人など皆無といってよく、人間である限り、老若男女を問わず、何らかの要望や、意見、思惑、目標、信念、疑問について複雑に考えています。その考え方は千差万別。