考え方を認める「思考へのストローク」

あらゆる生物の中で、自分自身を騙(だま)せるのは、人間だけです。
自己欺瞞と言い換えれば悪意を含んでいるように聞こえますが、自分で自分を騙すのはプラス思考と紙一重

たとえば肥満型の人が、自分の太鼓腹を眺めすがめつ、
「なんと醜い体形なんだ。情けない」
と自分をいじめ苦しめるよりだったら、
「まるで、布袋様のように福々しい太鼓腹だ。布袋様ってことは、無病息災まちがいなし」
と愛でるほうが、精神衛生上よろしい。

精神衛生には宜しいでしょうけど、体にとっては甚(はなは)だ宜しくありません。無病息災どころか、すぐにダイエットを始めなければ、生活習慣病になってしまう。
その危険性を、プラス思考によって潜在意識下へ閉じ込め、自分の太鼓腹を「福々しい」と是認し、正当化してしまうわけです。

それほどまでに、人間は、ものごとを複雑に考えることが出来ます。海苔のように何も考えずに働いている人など皆無といってよく、人間である限り、老若男女を問わず、何らかの要望や、意見、思惑、目標、信念、疑問について複雑に考えています。その考え方は千差万別。

わずか10文字。たった3秒でできるストローク

存命、つまり、相手の命を認めるのは、たった10文字で可能です。何も難しいことではありません。

あなただって、

「あなたがいてくれて良かった」

と言われたら、嬉しいでしょう?

嬉しいと思うなら、同じことを誰かへ言ってみませんか?書いて見せてあげてはいかがでしょう?

今すぐ出来ます。あとは、やるか、やらないかダケの問題。

やらなくたって、あなたは困りません。が、伝わらなければ、無いも同然。敢えて伝えなければ、存在を認めていることを伝えないも同然なんです。

極端すぎる話になりますが、存在を認めないということは、存命を認めないということ。つまりは、死に等しい。抹殺です。
しかし、無視などのイジメが抹殺に等しいことを考え合わせれば、決して極端な話ではないのかも知れません。

相手の存在を抹殺せずに、認めるのなら、敢えてプラスのストロークを放ってみましょう。わずか3秒、10文字で済みます。

誰かの存在を認める理由がなくとも大丈夫

「お前がいるダケでいい」なんて言われりゃ、ペットだって悪い気はしませんや、自分の存在を認めてくれる飼い主に懐くというもの。
犬猫だって懐くのです、いわんや人間をや。

「あなたがいるだけで幸せ」と伴侶の存在を認めてみましょう。

「あなたに出会えて良かった」と知人や友人の存在を認めてみましょう。

「あなたと一緒の会社にいられて良かった」と同僚の、はたまた部下の存在を認めてみましょう。

「あなたの下で働けて良かった」と上司の存在を認めてみましょう。

「お父さん、お母さんの子供で良かった」と、親の存在を認めてみましょう。

「お前は宝物だよ」と子供の存在を認めるのです。主語はYou(あなた)。

仮に「どうして、そう思うの?」と問われたら、「んー、何となく、そう思うんだ」と答える程度のファジーな感覚で構いません。

人は、どれほどファジーに行動しているかというと、人生の一大事である結婚を例にとれば、けっこう曖昧に、生涯の伴侶を決めているものです。

実際、国が発行している平成15年版国民生活白書の「第2節-1 結婚する理由、しない理由」によると、若い新婚夫婦が結婚した理由のトップは、「精神的な安らぎ」が67.9%。男女共に圧倒的多数を占めています。

経済力や門地といった明快な理由で結婚しているわけじゃありません。穏やかでゆったりとした「やすらぎ」という感覚を求めて結婚しています。感覚を求めて結婚するわけですから、結婚の理由たるや、極めてファジー(曖昧)であることが分りますね?

以下「人間として成長できる(34.3%)」「一人前と認められる(17.2%)」「親を安心させられる(16.1%)」と続き、意外と「経済的に余裕が持てる」との回答は低い(わずか0.7%)。

特筆すべきは「特に利点はない」が8.9%もいる。おおよそ10人に一人が、結婚に利点を求めず、なんとな~く結婚しているのが現実です。

そんなものなんですよ。相手の存在を認めるにあたって、明確な理由は、あっても無くとも良いのです。だから、なんとなくでも、ストロークしましょう。

「いてくれて、ありがとう」

わずか、10文字で伝わります。

失われてから後悔しますか?

 

人は何故か、失われる寸前になって、あるいは失われた後になってから、その存在の大きさを思い知ります。

しかし、後悔は先に立たず。失われてから気づいたって、もう遅い。取り返しがつきません。

だから今なんですよ。まだ失われていない今だからこそ、伝えることが出来るのです。このチャンスは永遠じゃない。今だけです。

その人が生きて、あなたの隣にいる今だからこそ出来ます。

徳川家康マッカーサーといった故人の存在を認めるのも結構ですが、故人からはストロークが返ってきません。あなたがプラスのストロークを浴びたかったら、いま生きている人へストロークしましょう。

存命を認めるのに理由なんか要りません。美辞麗句も要りません。ただ思ったままに、

「出会えて良かった」

と伝えてみてください。「同じ円(コミュニティ)の中にいられて良かった」と伝えてみましょう。たったそれだけで、相手の存在を認めることができます。

たとえば、ペットの頭を、
「可愛いね。お前がいるだけで癒(いや)されるよ」
となでるように、存在そのものを認めることが、最も単純な原点ともいえる根源的なプラスのストロークです。

「お前がいるダケでいい」なんて言われりゃ、ペットだって悪い気はしませんや、自分の存在を認めてくれる飼い主に懐くというもの。
犬猫だって懐くのです、いわんや人間をや。

「あなたがいるだけで幸せ」と伴侶の存在を認めてみましょう。

「あなたに出会えて良かった」と知人や友人の存在を認めてみましょう。

「あなたと一緒の会社にいられて良かった」と同僚の、はたまた部下の存在を認めてみましょう。

「あなたの下で働けて良かった」と上司の存在を認めてみましょう。

「お父さん、お母さんの子供で良かった」と、親の存在を認めてみましょう。

「お前は宝物だよ」と子供の存在を認めるのです。主語は、あなた。

プラスのストロークの原点_3つの人間性と付加価値

 

相手の人間性を認める言動(あなたの言葉と動作)が、プラスのストロークの原点です。

認める人間性の原点は3つあります。

1 存在を認めること。「あなたがいて良かった」「あなたのおかげで私がいる」etc.

2 思考を認めること。「思いやりがある」「正義感がある」「やさしい」「正しい考え方だ」etc.

3 真価を認めること。「あなたは能力がある」「あなたの長所に惹かれる」etc.

人間性ですから、この原点においては、容姿も実績も門地もカンケーありません。理由も要りません。手放しで人間性を認めれば良いだけです。

それは、どんなに些細なことでも構いません。「厳しいけれども良き父」でも良いし「愛する伴侶」でも良い。「何でも話せる友」でも良いし、「かけがえのない我が子」でも良いし、「尊敬する取引先」でも良いのです。

これら3つの原点以外に、もう一つの人間の価値があります。

それは付加価値、つまり、衣服や財産、豪邸、地位、権力を認めること。付加価値は時に、人間性の原点を上回る評価をもたらします。

幸せになる魔法「プラスのストローク」

ほとんどの人は皆、明るく、楽しく、豊かで、晴れやかな日々を過したいと思っています。 
あなたも、幸せな日々でありたいと思っていませんか?まかり間違っても、不幸のドン底には落ちたくない。

では、あなたが、素晴らしい日々を送ることのできる、とってもカンタンな方法を一つお伝えしましょう。誰にでも、必ず、できます。 

できなかったら、よく目にする場所に、
「今日も、誰かへ、プラスのストロークを送った?」
と書いて貼っておいてください。 

そして、一日たった3秒だけでいいから、プラスのストローク(Stroke)を送ってみて下さい。わずか3秒だけで、あなたの人生は好転し始めます。

■プラスのストロークとは?

プラスのストロークとは、具体的に、誰かを認めること。受け入れること。

褒めること…良いと評価すること。祝福すること。

称えること…すぐれた行動や実績を褒めること。

好意を示すこと…好ましいと思う気持ち、慕わしい気持ち、好感、親切な気持ちを示すこと。

御礼すること…感謝の気持ちを表すこと。また、その言葉や贈り物を贈ること。

元気づけること…活動のもとになる気力を呼び覚ましてあげること。

救うこと…助けること。困難・危険・苦痛から逃れるために力を貸すこと。乱れた秩序を正すこと。正しく良い方へ向けること。

伸ばすこと…業績や能力を高めたり、もっと大きく育つように導くこと。

励ますこと…やる気や勇気を出すように力づけること。

迎えること…招いて仲間に加え入れること。

譲ること…他人の考えや主張を尊重すること。自分を後にして他者を先にすること。

許すこと…過失を咎め立てないこと。

感謝すること…ありがたさを感じること。その意思を表すこと。

尊重すること…尊いものとして重んずること。

協力すること…目的に向かって力を合わせること。

微笑むこと…かすかに笑うこと。

握手すること…互いに手を握り合って、敵意のないことや、共感を表現すること。

支援すること…力を貸して支えること。

愛すること…愛情を注ぐこと。慕わしく思うこと。美しさ・良さ・価値などを認めて好むこと。かけがえのないものを大切に思うこと。相手を尊重し温かい気持ちで接すること。

以上のように、相手の人間性を認める言動(あなたの言葉と動作)が、プラスのストロークの原点です。

驚くほど簡単に実現できる合法的な試み プラスのストローク

驚くほど簡単に実現できる合法的な試み

プラスのストロークは、仕事や家庭のみならず、福祉や行政、学校教育、隣人との関係にも通じます。ストロークの法則は、いかなる場面にも通用する万能法則です。

なので、本書は、読む人によっては恋愛指南書に、あるいは実用書に、もしくは教育書に、はたまたビジネス書に、さらには人文書になることでしょう。決して、難しい心理学やマーケティングの書ではありません。

本書には、マーケティング論とストローク論が融合することによって出来た、マーケティングにも心理学にも存在しない造語が含まれていますので、カウンセリングに携わるスペシャリストや心理学者向けというよりも、ひとりで無人島には生きられない普通の社会人に向いています。

本書を読み終わったとき、あなたの気持ちは安らいでいることでしょう。そして、立ち上がろうとする勇気が湧いているはずです。
立ち上がって、前へ進むとき、あなたの足元を本書が明るく照らすことでしょう。そして、驚くほど簡単に、あなたは幸運への階段を駆け登り始めます。

そうやって、まずは、あなたが幸せになること。そして、周囲へ幸せを振りまくこと。
自分を認め、他人から認められること。
それを実現するおまじないの唱え方が、プラスのストロークです。
さあ、ご一緒に、幸せ探しの旅へ出かけましょう!